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今回はお花の話です。
●お花の事

●PARISの花屋さん

●花の本

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今回はお花の話です。

 

生活の中でお花を切らさないのは、多分少し贅沢な事なのかも知れません。
1週間で無くなるものなのに、何千円もするし。2〜3000円も
あればいろんな物が買える。でも不思議なもので1回飾ったところのお花
が枯れて捨てた後、そこを見ると何故か淋しい。そんな気がしませんか?

3年前からパリに住んで、レストラン関係の仕事をしている昔からの知人と
会った時「仕事どう?」と聞いたら、彼が「やっぱり家に花が無いとだめね。
切らすと何か悪い気分になって、あまりいい事ないみたい」
と言っていたのが印象的でした。

で、「いつもどんな花を生けているの?」と聞いたら「何しろアマリリスが好き
だから、必ず1本だけ生けてる」と。そういう花との付き合いかたもいいなあ、と
思いました。好きな花を1本だけ、必ず同じところに生けておく。そして季節に
よって素敵な花を見つけたら、たま〜に違う花にしてみたりする。
必ず同じ花屋さんで花を買う。
そんな花の飾り方ってすごく自然で楽しいかもしれないですね。いつも花のある
その場所に眼がゆくと、何となく心がほっとするみたいな感じ。毎日眼に入って来る
もので、しかも枯れてゆくものだからこそ、花の存在価値があるのでしょう。

花を飾って、それを見ていて興味深いのは日々変わってゆく事。
最初の時より枯れてゆく過程のほうが
より美しい事がよくあります。
(置物は何年見ていても変わる事はないですものね)

─ついこの間、すごく普通の赤いチューリップを買いました。
 つぼみの時には花の赤に茎のグリーンが混じっていて綺麗だったのです。
 花が咲いてきたら、本当に昔の歌にあるような、なんの変哲もないただの赤い
 チューリップ。「こんなに平凡な花もめずらしい」と思ったくらいでした。
 それなのに、それから2〜3日たって散る前には花の色が何とも言えない綺麗な
 濃い赤になり、頭が色々な方向に交差して、とっても妖艶な花に見えたのです。
 不思議ですね。

そしてもうひとつ思う事は「花を生けたい気分になれるという事」
あんまり忙しかったり、イライラしていたり、悩み事があったりすると
花を見ても美しいと思うことができなくて、生ける気分になれないものです。

だから‘花を生ける’という事は花を見て‘綺麗だな’と思える気持ちのゆとり
があるか無いかにすごく影響される事だと思うのです。
彼の言った「花が無いとだめ」というのは、きっと毎日そういうゆとりのある
気分でいられる事が仕事が上手く行くためにも必要だという事なのでしょうね。

 

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